(その1からの続きです)
結論から先にお伝えしてしまうと、今回のこのコラムの趣旨は、「集客」の見込めないフォトコンを企画するのであれば、ハンドメイド作品や、イラストの公募を企画したほうがよいのでは?というものになります。
そちらについてはその3で詳しくお話ししますが、まずは
「地方で開催されるフォトコンに対する興味が薄いのだとしたら、それはなぜなのか」、
「そしてその解決法は?」
について、お話ししてみたいと思います。
* * *
その1でお話したように、インスタグラムによるフォトコンが一眼レフなどで撮られた写真に比べて参加しやすいとはいっても、空前の写真ブームと言われる昨今、スマホで手軽に撮れる写真だけがその主流ではないはずです。
(地方のフォトコンが増えているのも、そういった意味での「需要」を見込まれてのことかと思います)
そこで、知人のカメラマンさんに、こうした写真コンテストについての印象を伺ってみました。
以下、羅列になりますが、
・撮影スポットについての紹介や発信がない。
・上記に関連して、見たいもの、行きたい理由があるかどうかが一番。
・住んでるところから遠い。
・賞金金額が他と比較して圧倒的に魅力ではない。
だと、正直休みの時間を使って行かないのでは・・?
というものがありました。
また、
「コンテストを探す人は一定数いると思いますが、「この場所綺麗撮りに行きたい」や「そこにしかないオリジナリティのものを撮りたい」のカメラマンのほうが多いのではないかと思います。 コンテストの主旨がより多くの募集を目指したもの、来訪目的となると、後者のほうがいいのではと思います」
といったお話も聞けました。
箇条書きの部分と合わせると、「“この場所”で写真を撮ることのメリット」や「良い写真が撮れる可能性を示してくれること」が、その場所を訪れてくれる(かもしれない)カメラマンさんにとっては重要なのではないか、ということでいいかと思います。
たとえば、自治体のホームページなどにフォトコンのご案内とともにそのチラシのpdfが掲載されたりしますが、そのチラシに各スポットの写真を載せてしまうとか、地図をつくって撮影スポットやゆかりの地の紹介をするとか。
カメラを手に取る人たちがなにを撮りたいのか(風景なのか、人なのか)といった、コンテストの内容以外の要素も絡んだ上での話ですから、ここで挙げたお話がすべてではないと思います。
ただ、「うちでフォトコンやります!さあ来てください!」ではなく、「うちはこんな場所です」という、その場所にどんな風景が待っているのか、どんな時間を重ねた場所なのか、どんな人々が暮らしてきた場所なのか、そういった紹介がまずはありきなのかもしれない、という気はします。
※写真コンテストのチラシにその写真を載せるのは一見本末転倒な感じもしますが、クリエイティブの分野でなにかをする人たちというのは、それらを見て「自分だったらこういう風に撮るのに…!」などと逆に想像力と創造力を働かせる類の人間が大半だと思いますので、そういった部分はむしろ気にしなくてもいいようにも思います。
※フォトコンというと風景写真がメインのような気もしますが、ウチの「人」を撮りに来てください!というフォトコンも面白いかもしれませんね。主催者の責任で住民すべての肖像権はフリーにします!とか。それだけで話題になりそうな気がします。
(その3に続きます。明日20:00更新予定。vol.01は全3回を予定しています)
2017-0816-2000