公募 芥川龍之介「蜜柑」を描く展［大賞 賞金200万円］

芥川龍之介「蜜柑」を描く展事務局では、「公募 芥川龍之介「蜜柑」を描く展」を開催、作品を2022年10月1日（土）より募集します。

〈テーマ〉
小説「蜜柑」（芥川龍之介著）のこの情景をイメージして描く

（略）──その時その蕭索（しょうさく）とした踏切りの柵の向うに、私は頬の赤い三人の男の子が、目白押しに並んで立っているのを見た。彼等は皆、この曇天に押しすくめられたかと思う程、揃って背が低かった。そうしてこの町はずれの陰惨たる風物と同じような色の着物を着ていた。それが汽車の通るのを仰ぎ見ながら、一斉に手を挙げるが早いか、いたいけな喉を高く反らせて、何とも意味の分らない喊声（かんせい）を一生懸命に迸らせた。するとその瞬間である。窓から半身を乗り出していた例の娘が、あの霜焼けの手をつとのばして、勢よく左右に振ったと思うと、忽ち心を躍らすばかり暖な日の色に染まっている蜜柑が凡（およ）そ五つ六つ、汽車を見送った子供たちの上へばらばらと空から降って来た。私は思わず息を呑んだ。そうして刹那に一切を了解した。小娘は、恐らくはこれから奉公先へ赴こうとしている小娘は、その懐に蔵していた幾顆（いくか）の蜜柑を窓から投げて、わざわざ踏切りまで見送りに来た弟たちの労に報いたのである。
暮色を帯びた町はずれの踏切りと、小鳥のように声を挙げた三人の子供たちと、そうしてその上に乱落する鮮な蜜柑の色と――すべては汽車の窓の外に、瞬く暇もなく通り過ぎた。が、私の心の上には、切ない程はっきりと、この光景が焼きつけられた。（以下略）
芥川龍之介「蜜柑」より

〈応募条件〉
・平面作品に限ります。
・作品の支持体の材質、種類は問いませんが、デジタル作品やプリントアウトした作品は受付ません。
・作品は必ず額装し（アクリル可、ガラス不可）裏面に額紐などをつけてください
・サイズ 20号〜40号Sサイズ（100×100cm)以内
・入選作品及び作品画像は、雑誌、SNS、Webサイトの各媒体に使用させていただく可能性があります。
・大賞受賞作品は、大賞賞金200万円をもって主催者が買い取ります。買い取りにより、大賞受賞作品の所有権及び著作権は主催者に帰属するものとします。大賞作品の譲渡をご承諾頂けない場合は、大賞の受賞対象とはなりませんのでご注意下さい。
・募集要項に記載されている事項全てをご了承できる方のみ応募ください。

〈審査員〉
・志茂田景樹（直木賞作家）
・小木曽誠（画家）
・塩谷亮（画家）
・御子柴大三（コレクター）

〈入選作品展示期間〉
・2023年1月12日(木)〜17日(火) 11:30〜19:00（日曜日、最終日は17:00まで）
・ギャラリー枝香庵 Flat
・〒104-0061 東京都中央区銀座3-3-12 銀座ビルディング7F

※応募は2022年10月1日（土）からとなります。
※応募規約等の詳細については、主催者ホームページなどでご確認ください。

大賞（1点）…賞金 200万円（作品買い上げ）
審査員特別賞（4点）…賞金 各5万円（入選賞金に加算）
入選作品（10点程度）…賞金 各3万円

※1人3点まで。

画像審査 専用フォーム（後日掲載）より応募
※応募は2022年10月1日（土）からとなります。
※作品画像データ3MB以内（JPEG、PNGのみ）

2022年11月30日（水）24:00締切

詳細は主催者ホームページ等をご確認ください。

芥川龍之介「蜜柑」を描く展事務局